学校問題と非行

少年付添人講座より

非行克服支援センターの少年付添人・相談員講座を受講しています。今回のテーマは、「学校問題と非行」。講師は、能重真作さんです。今日は、元教師で少年付添人を実践されている講師の言葉の重みをひしひしと感じました。

 能重さんは指摘します。(非行に対して)どの地域の学校でも、教師や校長の言葉が同じ対応になっている。学校は事実を確認し、反省、謝罪までしか子どもにさせていない。
子どもが「なぜするのか?」を考えていない。指導ではなく処理にすぎない。学校は非行に弱い。
 能重さん自身が、学校との話し合いの場に、付き添い人として、同席をしています。下級生に少年と付き合うなと言ったり、家裁で審判を受け保護観察となった子どもへ(在籍校に戻るのでなく、地方の学校へ転校する少年に)二度と戻ってくるなと言ったり・・・etc。教師の一言で少年は傷つきます。教師が意図することと反しているかもしれないが、少年は深く傷つける言葉として捉え、その後の人生にも影響する事例も能重さんは見てきています。

 子どもは過ちを犯します。繰り返すかもしれない。繰り返す中で、成長発達をしていくのではないでしょうか。その時、「なぜだめなのか」子どもとじっくり話し、子どもの発達段階に応じてわかるように話さねばならない。そして非行に走った原因が他にあった場合、それを解決せねば非行はエスカレートします。

 教育基本法の改正以来、「個性を伸ばす」とういう表の顔のもと、「できるものはできるなりにできないものはできないなりに」の教育となってきています。学校に競争原理が支配、管理・統制が強化される学校・・・。下層に振り分けられた子どもは、自己肯定感をもてなくなっています。そして自己肯定感の大半の入り口が非行となっています。どの子も自分の存在を認めて欲しいのです。

 さて非行を教師だけに課すには、限界があるのではないでしょうか。国レベルで教育について、現場の声を聞いた施策をせねばならない。学校現場では、能重さんの指摘のように話し合いには、第三者の同席をすべきことはもちろん、教育予算を増やし、しっかり子どもと向き合える体制作りも必要です。原因から、福祉につなげることも必要。警察との本当の意味での連携も必要。さまざまな課題が見えてきました。