【視察報告】鹿児島市の空き家等の現状と対策について
昭島市議会常任委員会建設環境委員会で鹿児島市の空き家等の現状と対策について、視察しました。(2015年10月19日)
平成25年の総務省統計局「住宅•土地統計調査結果」によると、全国の空き家率は13.5%です。鹿児島県は、17.0%、そして鹿児島市が13.9%でした。そのような現状の中、鹿児島市は、平成25年2月に高齢化率と人口増減から偏りがないように市内全域30万件から7200件を抽出し、職員が実態調査をしました。
そのときの調査結果は、老朽空き家56件、管理不全の住家19件、敷地•空き地17件があることがわかりました。そこから鹿児島市が推計したのは、市内全域に老朽化した空き家があること、住んでいる家でも管理がされていない家があることがわかりました。全域で老朽空き家等を推計すると3200件、そのうち危険性の高い空き家等が400件と判断。
実態調査から空き家が放置される原因を分析し、対策に乗り出しました。平成25年に空き家条例を施行。その後、国も動き空家法が制定され、施行。それに併せて鹿児島市の条例も一部改正しました。
市民からは相談件数は、ぐーんと伸び、平成24年64件だった件数が平成27年9月は195件までになりました。
条例や空家法の制定で法的拘束力をもった指導や環境衛生課、道路管理課、消防等という組織が組織を横断した取り組みができるようになりました。鹿児島市の特徴は、条例施行時から空き家等適正管理をしていない所有者の公表や行政代執行まで盛り込んでいたことです。
現在法が施行されてから所有者等調査に税情報の利用が可能になったことから、平成26年度所有者不明であった23件のうち19件が新たに判明しました。
また法が施行されても鹿児島市独自の警察等との連携、支援、応急危険回避措置は継続しています。
具体的に支援とは、解体事の1/3、上限30万円を支援。昨年度は20件の件数があったそうです。
さて空き家の問題は昭島市においても、市民からよく相談されます。鹿児島市の条例については非常に興味深く学ばさせていただきました。
昭島市は、議会で実態調査の必要性、そして空き家対策計画を作らねばならないと答弁していますが、具体的にまだ何もなされていません。早急に実態調査をし、昭島市の現状を掴むこと、さらにその活用、例えば市民事業に貸す等も考えていくべきです。
引き続き最新事例を学びながら、昭島市においても空き家の現状調査の必要性と空き家の活かし方も提案していきたい。