廃校になった小学校跡地のすみだ環境ふれあい館の中に”雨水資料室”があります。雨に関する資料がいっぱい!雨水タンクの種類もさまざま。スリランカで作ったタンク、バングラデッシュのタンク、天水尊、樋にろ過装置もつけるものなど、いろいろです。雨水を単にトイレで利用するのをもったいない。まずは洗たくで雨水利用、そのあとトイレでさらに利用してみるのもいい。雨水は蒸留水、洗たく石けんの利用も最小限で抑えることができ、環境負荷を抑えます。一目で見てわかる展示は、必見です。
雨水資料室を出発したあとは、東向島の駅から、向島百花園近くの路地尊「会古路地」、向島1丁目界隈の路地尊「はとほっと」「防災広場」、駐車場の屋根からとっている路地尊、有季園の路地尊、お好み焼き前の路地琴の6か所をまち歩きで見つけました。
墨田区のまちは、消防車両も入れない入り組んだ細い道が数多くあります。路地尊がまちのあちこちにあることで、火災時の初期消火にも使われ、実際に役立っています。手押しポンプでくみ上げるため、いざというときにも地域の人が使いこなすことができるのです。
まち歩きをしていると、スカイツリーがよく見えます。墨田区の国技館の雨水利用は有名ですが、建設途中のスカイツリーも雨水活用はされます。国技館は2500トンの雨水貯留で活用、スカイツリーはその上をいうく2600トンの雨水貯留を予定しています。(スゴイ)
ちなみに墨田区内の雨水利用実績は、区施設や都施設、民間施設、路地尊なども含め、185施設で15511㎥の貯留し、集雨面積は、138531㎥です。区がすべて把握していることにも区の雨水施策への姿勢を感じます。
墨田区の雨水施策が展開したのは、墨田区の雨水利用の歴史をみて欲しい。1994年の国際会議をきっかけに、丁寧な調査をしています。墨田区の浸透域と不浸透域、区内に何%雨水貯留をすれば治水できるか、公園の浸透実験測定・・・など緻密な調査項目には感服です。そしてその調査結果に基づき、現在計画を着々と進めているのです。当時、バラバラだった雨水担当所管を、環境保全課がもつことで墨田区の雨水施策を全体的に把握しています。
1996年には「雨水利用自治体担当者連絡会」を設立。現在132の全国の自治体が参加し、雨水の貯留・浸透に取組んでいます。残念ながら、昭島市は参加していない・・・。
さて私は、6月昭島市議会で雨水施策について聞きました。なかなか雨水施策を治水とともに、利水や地下へ浸透させる観点から積極的取り組むことも提案しましたが、なかなか市としての優先順位が低いのか、難しさを感じています。しかし今まで下水や水道や市の施設ごとの担当部署ごとにしかわからなかった雨水施策でしたが、環境部が雨水施策全体を把握することを担当する!という答弁に、一歩前身!期待をしたいと思います。
21世紀は、”水戦争”の世紀と言われて久しい。水に恵まれた日本、そして地下水を飲むことに恵まれている昭島市として、そろそろ雨水施策を積極的に進めねばならないのではないだろうか。