市民の発案から始まった小水力発電「元気くん」

トランジションタウン都留へのツアーに参加して

元気くん1号の前で
元気くん1号の前で
 都留市役所前の家中川に設置された水車は圧巻でした。その名前は「元気くん1号」。直径6メートル、地元産のアカマツの木材が水車の羽根として使われています。市役所の15%の電力をまかなっています。近くの家中川に、直径3メートルの元気くん2号も元気よく回っていました。

 小水力発電が設置されたきっかけは、市民によるマイクロ水力発電への取り組みから。2001年に東電OB,教員OB,青年会議所などのメンバーによって、都留水エネルギー研究会を発足。家中川に設置したマイクロ水力発電の電力をイルミネーションの点灯など都留市の市民事業への補助金を活用して実証実験しました。

 その後市制50周年のモニュメントとして、家中川へ小水力発電を設置しました。
 
 また元気くんの設置には、市民債「つるのおんがえし債」で市民の応援団を募っています。元気くん1号には、4倍もの応募。市民がまちの事業を支えています。今年度は、ラセン状の小水力発電「元気くん3号」に取り組みます。この3号で市の設置は終了。今後は、小水力発電のエネルギーを使い、産業へいかし、まちに産業を誘致し、活性化することを目指していきます。

 さて都留には、イギリス発祥のトランジションタウンがあります。トランジションとは、ピークオイルと気候変動という危機を受け、市民の創意と工夫、および地域の資源を最大限に活用しながら脱石油型社会へ「移行」していくための草の根運動です。都留市役所役所の隣にエコハウス、OMソーラーや雨水活用、植物工場・・・などおもしろい取り組み。それを応援するのが、都留市へ移住してきた若い人たちです。

 4年前に移住したかとうだいごさんの家族は、とってもアットホームで魅力的。家も田んぼも自分たちで作ってきたことに驚きました。今や地域コミュニティーに溶け込み、山梨県から牛の放牧に取り組まないかと持ちかけられるほど。

 小水力発電もトランジションタウンも、まずは人と人とのつながり、信頼関係から始まっている都留市に自然エネルギーや環境問題を考える原点を感じました。