セーフティネット係、ひとり親支援、自立支援の係が一つに~日野市を視察して

「生活に困っている」「仕事が見つからない」「将来が不安」「家賃を払えない」「家族がひきこもっていら」「母子家庭だけど経済的自立をどう図ればよいか」など、市民が困ったときにどこに相談していいかわからない、あるいは役所でたらい回しにされヘトヘトに疲れてしまったという苦情の相談を受けることがよくあります。
日野市視察
 日野市では、相談員が一緒に生活を見直し、問題を整理し、課題を、解決しながら自立について伴走型で支援をする窓口があります。それがセーフティネットコールセンター!一つの担当課に、生活困窮者自立支援の係、ひとり親家庭の支援の係、セーフティネット係(自殺対策、ひきこもり対策、低所得者•離職者対策、犯罪被害者支援、孤独死•孤立死対策、ハローワーク八王子による巡回相談等)の係があることで、機敏に連携できます。また同じフロアに子ども家庭部や高齢者や国民健康保険の担当課もあるので、いざ!というときの連携も取りやすい。切れ目のない支援を実践していました。

今回の視察の主目的は、日野市のひきこもり対策だったのだが、多岐にわたる連携した取り組みに目を見張りました。

日野市のひきこもり対策の特長は、日野市直営で相談窓口を持つセーフティネット係の業務と相談だけでなくひきこもり家庭は出向くアウトリーチをする社会福祉法人創隣会(日野市の委託)の二つの窓口があることです。なぜ二つあるかというと、社会福祉法人が以前から事業をしていたこともあるが、日野市の市長が職員出身ということもあり、民間の方がアウトリーチが得意であることを知っていたからです。平成27年度の相談件数が5827件という数値には驚きです。個別相談会をし、精神保健福祉士、社会福祉士、スクールソーシャルワーカーご相談にのります。対象も6ヶ月以上ひきこもり状態にあること、なので0歳〜年齢制限もなく、一般財源で取り組んでいます。

さて昭島市の場合…
生活困窮者自立支援の相談事業の実績は、平成27年度23件、そのうち住宅確保給付金に繋げた支援は20件、就労支援に繋げた支援は3件。平成28年8月31日現在相談事業は12件、そのうち住宅確保給付金に繋げた支援は7件、就労に繋げた支援は5件でした。 昭島市の子ども育成課が東京都のひきこもりのアウトリーチへの支援と繋ぐ相談件数は、平成26年度2件、平成27年度0件、平成28年現在1件。この実態をどう見るか。

 日野市は、東京都のひきこもりサポートネットワークの利用はしていません。なぜならば東京都は相談回数を5回と制限しているため。自分たち日野市でひきこもりサポートの事業をする方が効率がいいから。東京都から逆に日野市へ東京都の案件を相談されたこともあるそうです。ひきこもりの調査まではしていないそうですが、支援の実体があることは大事です。

他にも福祉の初期相談窓口では、
精神の医療機関と連携し(七生病院)、精神疾患が疑われるが治療を受けていない方や家族への支援、相談もセーフティネット係で実施しています。

ひとり親家庭に対しても年に一度の現況届けがチャンス!と夏にアンケートと実施しました。

今後子どもの貧困への基本方針も実態調査をし策定します。13の所管課が庁内で連携をしています、事務局はセーフティネットコールセンターが担っています。

日野市は、「相談に来られる方を病気に例えると、相談に窓口へ来たときは重症化している。本人が気付くのが難しいならば、周囲の連携すればいい。川上〜川下は流れないようにしなくてはいけない。」とセンター長の青木さんは発言していました。

さて、ひきこもり支援対策とは一つの役割!であり、まずは誰もがつながりやすい、たらいまわしにならない福祉が連携した窓口であるセーフティネットコールセンターが昭島市にも必要!と改めて思いました。