日本の発送電分離はドイツから学べ①ドイツの再生可能エネルギー促進への政策

 ドイツ•ハンブルグ市にあるグリーンピースエナジーでドイツの再生可能エネルギーの政策、同社の取り組みを伺ったが、とにかく日本との考え方の違いに目からウロコ!

日本がお手本にしているというドイツ!日本との制度設計の違いを抑えておかねばならない。ドイツをお手本というならば、原発再稼働なんて〜制度設計の発想にはならないはず。

まずはドイツの政策の動きについて、グリンピースエナジーから伺いました。

ドイツでは、4つの重要な取り組みへの目標があります。目標に対し、グリンピースエナジーは政策への懸念事項も指摘。

①2022年までに原発をなくそうということが可決されています。現在8基の原発が、2022年までに閉鎖されます。そのことが前提で政策が進められています。

②再生可能エネルギー導入への具体化された数値目標があります。2024年までに40〜45%、2035年までに55〜60%、2050年までに80%この幅の中で目標値に達成すると到達した時点で補助金は減らされます。因みに2014年は27.3%、今年2015年は33%再生可能エネルギーが導入されると予測。

    グリンピースエナジーは、その年度の幅での目標ではなく、再生可能エネルギー導入を前倒しに進めるべきと指摘しています。

③エネルギー効率を上げること。2050年までに50%引き上げる目標を持っていますが、なかなか上手くいっていないとグリンピースエナジー指摘。

④温室効果ガスを削減すること。1990年比で2020年に−40%、2050年までに−80%削減の目標を持っています。今まで経済状態が悪化したことの影響で温室効果ガスが削減されてきていましたが、2013年にupしたことに対し、グリンピースエナジーは懸念していました。

「再生可能エネルギー法」が脱原発への中心的な政策!
2004年、2009年、2012年、2014年と改正されてきています。この法律ができた理由は、再生可能エネルギー導入を促進するには仕組みが必要、温室効果ガスを下げるために化石燃料を使わないということを具体化せねばならないからです。

この法律の中で、3つの重要な目標があります。
①再生可能エネルギーへ安全に投資ができるようにすること。FITが導入されました。ただ再生可能エネルギー導入の目標年度に達成すると補助金が減ってきており、現在長期的な投資につながっていません。

②イノベーションへの支援、エネルギー効率を高めることで再生可能エネルギー導入を促進していくと考えています。

③国の予算に左右されない制度設計をすること。消費者が再生可能エネルギーへの賦課金を払う、たくさん電気を使う人が賦課金を払う価格設定へ入れています。

 さて再生可能エネルギーの発電所が電気を小売会社に販売するには、2000年から2012年までは送電網を運営する4社でFITを販売していました。2012年からはMPMに制度が変わり、100社が市場の値段で販売します。
 市場任せではよくないと、発電と小売の企業が直接交渉、直接契約する仕組みが2013年にできました。ドイツ連邦環境局、スイス、ノルウエー、オーストリアは、どこの国の再生可能エネルギーかということを証明する国際組織AIBを立ち上げました。ドイツ国内では、ドイツ連邦環境庁の再生可能エネルギー電力の発電源証明登記簿環境局(UBA HKNR)が担います。 小売の電力会社は、発電所と直接契約で電力購入するとき、1MWhあたり=1GoO(1.5ユーロ)で負担します。GoOとは、EU内の制度で発電原証明(Gaurantee of Origin)のこと。ドイツでは現在、再生可能エネルギーの発電所から小売の電力会社が購入する時は、卸売市場に連動したプレミアム価格の電力を購入するか(MPM)、発電所と小売電力会社がGoOで直接契約で購入するかの二つしかありません。

   グリンピースエナジーの場合、再生可能エネルギーは、全て直接契約で購入しているそうです。

 日本では再生可能エネルギー100%の電気を選びた〜い!と消費者が思ってもできない仕組みになりそうな動きです。ドイツでの視察を参考にしたい。

続く•••