住民へのリスクコミュニケーションの視点で取り組むアスベスト飛散防止策を!~2014年第三回定例会議会質問より
阪神淡路や東日本大震災の経験から、大規模災害による予期しないアスベスト飛散の問題がクローズアップされています。環境省は、これらの課題を踏まえ、規制強化を目的に昨年2013年に大気汚染防止を改正し、2014年6月1日に施行されました。
今までアスベスト関連企業がアスベストの建築被害を認めた2005年のいわゆるアスベストショック以来、アスベストの規制に関連する法が次々に改正、整備され、原則としてアスベストは、輸入も使用も禁止となっています。今後問題となるのは、これまで建築物に使用され、非飛散性であるとして、除去対策が施されていないアスベスト使用建築物の老朽・更新による解体時の飛散防止とアスベスト廃棄物の適正処理です。
今回の改正で、解体・改修等の工事を行う建築物等において、吹付けアスベスト、アスベストを含有する吹付け材、保温材(断熱材・耐火被覆材を含む)ならびに成形板が使用されていないかどうか発注者が事前調査しなければなりません。そして調査結果を、アスベストの有無に関係なく、公衆が見やすいように掲示をしなければなりません。しかし天井などに多く使用されている石綿含有形成板はレベル3と評価され、昭島市内では工事解体時の届出義務はありません。川崎市等、届出を義務付けをしている自治体もあります。
昭島市の公共施設の今後の工事はもちろん、民間への周知徹底は大事ではないでしょうか。そこには住民へのリスクコミュニケーションという視点が重要だと考えます。
第3回定例会において、現在作成中の公共施設台帳へのアスベスト表示は、施設ごとに整備されていることがわかりました。しかし民間で所有している建築物は、市において調査する権限や報告がないため、整備はしないとの答弁でした。
現在アスベストが含有する建築物が解体されている都立昭和高校、今後発じん性著しく高い、吹き付け石綿レベル1の解体工事が予定されている青少年等交流センターの周辺には事前の工事の周知徹底、丁寧に住民への説明をすべきことを指摘しました。引き続きアスベスト飛散防止策について取り組んでいきます。