生ごみと花苗を交換~環境と福祉が融合!蕨戸田衛生センター組合の視察報告①

生ごみと交換される24鉢の花苗

苗の下の台は廃材であるベッドを利用。2014年7月11日(金)

 蕨市と戸田市のごみ処理施設である蕨戸田衛生センター組合の取り組みは、非常に興味深く、昭島市でも環境と福祉が融合した施策として、すぐにでも取り組める内容です。生活者ネットワークの環境部会主催の視察に参加してきました。

 蕨戸田衛生センター組合では、1352世帯の登録がされている家庭から出る生ごみを専用バケツで回収し、堆肥に変え、それを利用して花の苗を生産しています。市民と協働で、生ごみの減量と資源化を図っています。登録家庭の市民には、24鉢の花苗と交換します。登録市民の庭先がいつもきれいな花で彩られることで、生ごみのたい肥化事業を語る市民となり、地域の中で啓発にもなると職員が説明してくれました。

登録家庭の生ごみ専用バケツ

 

 さらに注目すべきは、地域に仕事創りだしていることです。生ごみから堆肥を作る堆肥化装置室では高齢者が働き、花苗を栽培する温室(3 棟)の施設や敷地内にはビオトープや自然育成園では障がい者が働いています。埼玉県の最低賃金を下回らないことにも驚きました。生ごみたい肥化と花苗の指導は、前職をディズニーランドで障がい者と花苗作りのノウハウを培った専門家の女性を雇用していました。

 またこの事業を取り組む経緯には、やる気のある女性職員を抜きには実現できなかったと思いました。生活保護担当として経験を積んだ職員の吉田さん(今回の説明者)が環境クリーン担当へ異動したことがきっかけ。生活保護担当時に隣の障害者担当の課へ来る保護者が親亡き後の障害のある子どもへの心配をする姿をずっと見続けていました。そこで異動したとき、批判と失敗を恐れない吉田さんはヒラメキ、「生ごみを活かす」「障がい者が生き生きと暮らす」ことを融合させたのです。

 さて昭島市では、現在生ごみ処理機への補助金を助成しているものの、市はたい肥化には取り組んでいません。そして助成金をつけても、現状は活用状況を把握していません。環境コミュニケーションセンターが稼働して、3年が過ぎました。次は生ごみたい肥化を実証実験してみてはどうだろうか。