地域の人材、地域の空き室を活かした待機児童対策にも取り組むべき

 

今週から駅頭での市政報告をしています

 昭島市の待機児童は201441日、68人です。年度の終わりには、300人の待機児童が予測されています。来年度開設の市内初の幼保連携型認定こども園含む「待機児童解消加速化プラン」による保育施設等整備計画を昭島市は昨年に示しました。待機児童の8割が1歳児である実態を解決する施策となるのか・・・。

 

新制度では保育料等も改定される

 来年度4月、子ども・子育て支援新制度が施行されます。それに伴い昭島市は、現在児童福祉審議会に保育料の在り方を諮問しています。4月の審議会で国から公定価格と徴収基準が示され、保育料等の審議をし、9月の議会で保育料条例()が示されます。また今後市が認可する地域型保育事業(小規模保育事業、家庭的保育事業等)等、多くの保育に関する内容が議会へ提案されます。

 大半の基礎自治体は、国の提案を受けてから審議する保育施策であり、受け身の姿勢です。社会経済情勢が厳しい中、保育料は保護者にとっては重要な関心事です。また昭島市で初めて取り組む幼保連携型認定こども園の保育料、保育内容等がいまだ具体化されない中、市が率先して堀向保育園から移行をすすめる施策は、保育を受ける子ども、保護者不在と言わざるを得ません。待機児童解消は昭島市の喫緊の命題とはいえ、そこには保護者を交えた子ども中心に考えねばならないと考えます。

 待機児童への今後の昭島市の動き

 昭島市は、国の待機児童解消加速化プランの積極的な活用により、保育施設等整備計画で、現状の施設の増改築や新設で認可保育所等の設置をし、緊急に待機児童解消を取り組み始めました。2014年度10人、2015年度174人、2016年度150人の3年間で合計364人増の受け入れを計画しています。具体的には、青梅線北側地区に来年度開設の定員160人の認定こども園(多摩育児会が運営)を新設、むさしの保育園の14人予定の定員増(25歳児)、昭島駅南側地区に2016年度に青少年等交流センター敷地に定員100人程度の私立保育所を新設、拝島駅南側地区では今年度に松原保育園の10人予定の定員増(05歳児)、2016年度に拝島駅前保育施設として定員50人程度の新設がされます。計画により一定の待機児童解消が図れますが、待機児童ゼロには至りません。

  昭島市の今後の子育て世代の人口増と保育ニーズの予想からも、1歳児の待機児童は、依然解消されません。保育園を利用したいという潜在的なニーズも踏まえると、施設を新設するだけでは解決されません。昨年実施された子ども・子育て支援事業計画づくりへのニーズ調査から、就労していない就学前母親のうち74.2%が就労希望を持っており、「1年より先、一番下の子どもが一定の年齢になったころに就労したい」が54.8%、「すぐにでも、もしくは1年以内に就労したい」が19.4%がわかっています。今後事業計画が立てられ具体的な数値も見えてくるでしょう。 

 事業計画を満たすには、現在計画されている新たなハード施設を建設するだけでなく、今ある建物や人材を活かすことも必要ではないでしょうか。 

 例えば1歳児を含む低年齢児の保育する場所として堀向保育園を活かすことや、空き店舗・空き家等での小規模保育の取り組みを考えていくべきと考えます。小規模保育事業(スマート保育)、家庭的保育事業(保育ママ制度)等、都内では待機児童解消に既に取り組んでいます。昭島市の詳細な取組はこれから。量的拡大の整備は進められるものの、質的な整備については具体的に見えてきません。

 最近保育園事情に詳しい専門家の方と話す機会がありました。現在保育士や幼稚園教諭を持つ学生の就職は100%以上。いくらハード設備を整えても人材がいないのだそうです。有資格者でなくても、保育を補助する人材を雇用しているのが実態です。地域の中で資格を持つ人、子育てをプロの人・・・などシニア世代にも数多くいます。空き店舗、空家、空き室など地域の材と組み合わせ、地域の課題解決をするための起業を昭島市が応援するなど、市の中で横断的に考えていかねば、根本的な1歳児への需要への解決につながらないのではないでしょうか。

  今後9月議会までに、昭島市の多くの保育施策が提案される中、引き続き、子育て世代はじめ、地域の声をまとめ、議会で提案していきます。