18歳からの政治参加で日本が変わる!~新年憲法カフェ報告

「スウェーデン&欧州議会インターンシップ経験から 見えてきた若者の政治への参加」×「 現実に近づいてきた国民投票法18歳投票権 」をテーマに「18歳からの政治参加」をキーワードにトークセッション企画を開催しました。

右から小串聡彦さん、両角達平さん、南部義典さん(2014年1月9日)

登壇者は、
南部 義典さん(慶應義塾大学大学院法学研究科講師、動態的憲法研究会共同代表)  
小串 聡彦さん(ウプサラ大学修士号取得、欧州議会での研修生を経て、現在は調査•コンサルタント)と両角 達平さん(NPO法人Rights 副理事長)
 
 
 
 
 
 
 
 10代へ選挙権を下げることで投票率upは証明済み!
 世界の85%の国が18歳から投票権があり、半数の国で21歳被選挙権があります。欧州ではさらに16歳への引き下げの動きもあります。欧州でも当初若者は未熟であるとの見方から投票年齢の引き下げに否定的な見方が多数でした。しかし実際引き下げの後の調査で10代の投票率は20代に比して高かったのです。例えばデンマークでは、同居の親、特に母親の投票行動に影響されることがわかりました。政治への関心度も向上するため、その後の政治的成熟度が向上しました。イギリスでは、被選挙権、投票権の年齢を分ける合理的理由がないということで18歳に統一されました。世界では、学校でそのための政治教育も行われています。欧州では、党の青年部に10代でも参加ができ、党へ政策提案、意見も自由にいいます。若者評議会という若者の声を届ける民主的なプロセスの仕組みがあります。

 日本のように政治への参加を敬遠したり、あるいは知名度が高い若者を起用し、若者の声を聞いたかのようなパフォーマンスで終わらせるのではありません。

 
日本の国民投票の年齢は、18歳か20歳か・・・未だ決まっていない!
 ところで日本の憲法改正国民投票法の投票権は、現在18歳か20歳か決まっていません。2010年施行されるまでの3年間で決めるはずでしたが、第一次安倍内閣、福田、麻生内閣、民主党政権後も議論されず、今に至っています。選挙と国民投票は、政治参加!年齢が食い違うとおかしいというのが、法制定時の国会の考えでした。当時自民党も国民投票法の投票権を18歳で合意を得たはず。しかし現状の与党は、まずは20歳に決め、4年後に国民投票を18歳にする案です。そして何れ公職選挙法も18歳へ引き下げようということです。今年1月末の国会で議論がされる予定。注目!です。

 さて南部さんは、国民投票法、公職選挙法、民法(成年年齢)、少年法は、4つの法律は必ず18歳か20歳に統一すべきと言います。バラバラに議論すると霞が関の思うツボという指摘をします。一方小串さんは、法律によって基準年齢が違ってもいいのではないか。統一しなければならない合理的理由ははない!とキッパリ言います。まずは選挙権の改正を18歳に引き下げ、民法の成年年齢とは別にすべき、若者の政治参加を進めるべきだと言います。

 みなさんは、どのように考えますか?まずは、若者当事者に十分意見も聞き取りながら、国会での議論を進めるべきではないでしょうか?

 ちなみにこの企画の次の日、衆議院会館で小串さんも活動に参加するNPO法人Rightsによる18歳への選挙権引き下げの集会がありましたが、法を制定する国会議員の参加は「ゼロ」、一方多くの高校生の参加があったそうです。

 国会議員の皆さん、当事者抜きで考えないで下さいね。