『相乗りくん』にあいのり!広がれ市民共同発電所
原発に依存しない自然エネルギーへの普及、市民が参加しやすい太陽光発電の市民発電所が注目されています。東京では、出力10kw超の太陽光発電を屋根を借りて設置する「こだいらソーラー」「えど・そらプロジェクト」等、市民が主体に動き始めました。
しかし課題は、資金集め!
世田谷で開催された、NPO法人上田市民エネルギーとトランジション世田谷茶沢会主催の「市民発電所実践講座で、先進的取り組みで今!注目の長野県上田市の『相乗りくん』の話を聞きました。
NPO法人上田市民エネルギーは、家主の屋根を貸す人(屋根オーナー)と自宅に設置できない人(パネルオーナー)をつなぐ事業『相乗りくん』をしています。家主である屋根オーナーが自宅に太陽光パネルを設置します。空いたスペースに複数のパネルオーナーで太陽光パネルを設置します。屋根オーナーは、昼間は自家消費し、自分が設置したパネルの余剰分を売電収入とします。パネルオーナーは、自分たちが設置した分を全量売電し、10年間は売電収入を得られます。その後2年間(設置後11年目、12年目)は、NPOの運営のための収入とし、13年目から全ての売電収入が屋根オーナーのものとなります。パネルオーナーは、10万円以上、5万円単位で参加することができます。屋根オーナーにとって、初期費用を抑えられるメリットです。年間を通して日当たりが良い好条件に恵まれている上田市の強みをいかしています。出力1キロワット当たりのパネルの年間発電量は、上田小県地域の平均で1100kwh。相乗りくんは、1300kwh以上の発電が見込める場所を選んで設置する計画。オーナーには、順調に発電・売電が続けば、支払った額より1割程度多く還元できると試算しています。このちょっとしたお得感が、同じお金を預けるならば、いいことに使おう!と参加が広がるのだと思います。人と人がつながって屋根と太陽エネルギーと売電収入をシェアする『相乗りくん』は、市民が少しずつお金を出し合って手ごたえ やメリットを感じながら太陽光パネルを増やす仕組みが非常に魅力的です。
六ヶ所ラプソディーの映画の出会いが環境活動に取り組むきっかけとなった代表の藤川さんは、3.11以降、今こそ自分たちが住む地域で自然エネルギーへ取り組もうと動き始めたことを語っていました。「今まで勉強してきたことはなんだったのだろうか・・・」私も同じことを実感しています。自分たちも加害者にならない、地域の中でできるところから自然エネルギーの地産地消に取り組む藤川さんたちに感動しました。藤川さんの周囲には、経営に長けた人、ITが得意な若者・・・いろんな人が集まっています。そして普通の主婦だった藤川さんの雇用の場も確保されました。自然エネルギーでは食べていけないという人たちの意見を覆す仕組みも作りあげています。
『相乗りくん』の仕組みにあいのりして、自然エネルギーに誰もが参加しやすく、地域の人と人をつなぐ仕組みで、昭島で市民共同発電所を作っていきたいと思いました。