再生可能なエネルギーの政策転換をするには、電力のインフラ整備をすべき

スマートグリッドの導入

チェルノブイリの事故後、菜の花を植えている。被害の連鎖を生む放射線をふくんだ土を、菜の花の力で再生する「菜の花プロジェクト」だ。
チェルノブイリの事故後、菜の花を植えている。被害の連鎖を生む放射線をふくんだ土を、菜の花の力で再生する「菜の花プロジェクト」だ。
昨日東電最高責任者が会見しました。「廃炉」へ向かう福島第一原子力発電所。当然のこととはいえ、避難所生活をしている福島の方々の心中を察すると“怒り”が込み上げてきます。東電だけでなく、2007年に東電の福島原発増設を受け入れた双葉町と議会の責任は免れないと思います。
 
私は、脱原発を!訴えてきました。地震列島の日本には、原発は向かない。何万年もかけないと半減されない放射能のゴミ(放射性廃棄物)を考えると原発に頼るのは不安です。

今こそ自然エネルギー(再生可能なエネルギー)への転換を積極的に政策的に導入する時です。2008年度のデータによると、日本の国内の各再生可能エネルギーの発電量と、日本の全発電量に占める割合は、3.2%です。火力(石油、石炭、天然ガスなど)が68.5%、原子力が22.5%、大規模水力が5.8%という数値から、みなさんはどのように考えますか?

 現在原子力による発電は、全発電量の約30%も占めています。政府は、2020年41.5%、2030年48.7%の原子力利用を目標とし、2020年には新規に9基増設を想定しています。(参照:資源エネルギー庁「長期エネルギー需給見通し(再計算)」)首相は建設中の2基、計画中の12基を見直すことを今日31日に表明しました。現在54基ある原発。政府のエネルギー政策は、再生可能なエネルギーへ大転換すべき一歩を大きく踏み出して欲しい。
 
 そしてその時の重要な鍵は、「スマートグリッド(“賢い”次世代送配電網)」です。地域や季節、天候、昼と夜の間でもさまざまな偏差のある電力需要に賢く対応できる電力供給システムを、IT通信・制御システムを組み込むことによって実現させ、電力供給の安定化、信頼性の向上をはかり、電力を最適に効率的に利用、さらに両方向通信を駆使して需要をコントロールします。

 1951年に9電力体制が確立されて以来、日本では電気事業法の下で原則として地域独占と垂直統合が維持されてきました。現在10の電力会社が所管地域を分け合い、それぞれの中で発電から送電・配電まで一貫して責任を持っています。

 スマートグリッドのキーワードは、分散型、連携型であること。自然エネルギーのような天候、日照など自然条件により出力偏差のある複数の電源を最適に組み合わせることによって、電力の供給を効率的に行うことを可能にします。また蓄電技術も重要です。効率のよい蓄電の技術が電力需要への柔軟な対応を可能にします。リチウムイオン電池、NAS電池や電気自動車、プラグインハイブリッド自動車を蓄電池として活用しようという発想もあります。昭島市内だって、蓄電技術の優れたキャパシタを生産する工場もあります。日本には、今まで蓄積した技術があります。発想があります。

長期的視点にたって、子どもや孫の次世代のために電力のインフラ整備を再設計すべきだと思います。