東京都教育委員会と闘う都立三鷹高校元校長土肥信雄先生と学び合いました。市民憲法教室は、熱気ムンムン。満杯でした。三鷹高校卒業生や保護者、若い子育て中のお母さんたちも参加。いつもの憲法教室とは雰囲気も違う中、土肥先生の理路整然とした学校現場での今の都教委の矛盾を鋭く突くトークに引き込まれました。
土肥先生は、都教委を相手に裁判をしています。裁判で闘う決意をした理由は、
当時の都教委米長氏を批判した発言が内部から密告されたことから始まった。しかし自分への批判だけだったら裁判までするつもりはなかった土肥先生は言います。
「国旗・国歌」原告勝訴の難波判決を評価した発言が、なぜか都教委へ密告され、その後何度も都教委へ呼ばれます。一方都教委は、土肥先生が2004年3月の神津高校の校長時代、国家斉唱の「監視」の職員を派遣したにも関わらず、卒業式当日出席の職員は遅れてきます。そして職員は、「なぜ国歌斉唱を(自分が到着するまで)待てなかったか」と土肥先生に言ったそうです。都教委はどこの視点に立っているか疑問を感じます。
2005年11月校長連絡会で「ある学校の文化祭で生徒掲示物をみた都民の方から、この掲示物は考え方が一方的だという指摘があり、校長に掲示物に十分注意をするよう」指導がありました。生徒の表現の自由まで侵害されたのです。
そして職員会議の挙手・採決禁止です。土肥先生は、都教委へ通知の撤回を求めています。また都教委への公開の討論も求めています。
教育が民主的でなければ生徒も国家も民主的になれません。
土肥先生は、三鷹高校を退職されるとき、生徒から卒業証書をもらいました。「卒業証書、土肥信雄。右は教育委員会の弾圧にも負けず本校指定の課程を修了したことを証する。平成21年3月24日、東京都立三鷹高等学校、第58期卒業生一同」卒業生からの色紙をみても、生徒から信頼された教師だということがうかがえます。125通もの生徒、保護者からの陳述書は涙がでます。
現在土肥先生は、大半の校長が合格となる中、都教委の非常勤講師を不合格とされました。
次回裁判は、3月17日(木)午前10時〜都教委側証人尋問、24日(木)午前9時50分〜都教委証人尋問、4月7日(木)午後1時50分〜土肥先生尋問。傍聴できる方は、ぜひ傍聴を!
言論弾圧にとことん闘う土肥先生は、絶えず笑顔です。裁判費用は、生徒と保護者がカンパなどを呼び掛け支えています。そのことに満面の笑みで「うれしい」という土肥先生。校長時代、校門や靴箱前で生徒に声をかけ、部活も一緒に汗流す。子どもを中心においた教育活動。だから生徒や保護者も支援をするのだと思います。日本は、子どもの権利条約を批准した国です。今、教育のあり方が問われているのではないでしょうか。法廷での都教委の言い分を注目したいと思います。