「お弁当の日」は、香川県綾南町滝宮小学校の校長だった竹下和男さんが提案したものだ。きっかけは、小中学生の子どもたちに「生きる力」がないことを懸念したとき、この「弁当の日」を考え出したそうだ。当初、親からはブーイング、しかし親は手伝わない、弁当作りの技術や知識は家庭科で教えるなど話し、理解していただいたそうだ。親の買い物についていき、売り場で野菜や魚のことを聞く子どもや「あっと言わせる弁当を作りたい」と巻きずしに挑戦する子どもなど、弁当作りを家庭ですることで親子の会話も増えた。
東京で先駆的取り組む昭島市は、全小中学校での取り組みだけでなく、全学年での取り組みをしているのが特長だ。
私は、「お弁当の日」は、食育の一環と私は考える。昭島市の取り組みについて、今回一般質問をした。
(Q)「お弁当の日」の検証と今後取組みについて
(A)「お弁当の日」は、家庭における食育の一環として、子どもと家庭が一体となって、食の大切さやありがたさを考える機会となるよう、学校と教育委員会が連携して家庭に呼びかけ、全学期を通じて3回、内1回を各学校の統一実施日。2010年度5月19日食育の日を各学校の統一実施。小学校9校、中学校6校で実施するとともに、この日に実施できない学校は前後の日にずらして実施。
「いつも食事を作ってくれる人に感謝しよう」、「お弁当箱を洗って返そう」など、テーマを設けて実施した学校や「買い物を手伝う」、「自分で作ってみる」など、発達段階に応じた取り組みを実施した学校もあった。今後の展開は、「お弁当の日」が家庭と学校における教育活動としての食育に大変有用であるとともに、この事業そのものが家庭、学校に十分に定着してきたとの認識から、今後も学校や保護者の協力得て実施していきたい。
(Q)昭島市の学校教育における食育の考え方は?
(A)食育を教育課程に位置付け、家庭科、保健体育、総合的な学習の時間などで相互に関連付けて取り組む。
(Q)食育計画の進捗状況は?
(A)小中学校の児童生徒を対象とした食育推進計画を本年度末の完成を目途に現在策定中。
(Q)日野市の大豆プロジェクトの事例をあげ、食育の一環として、学校と農が連携し、給食に活用する、食の循環を子どもたちが体験することを計画的に進めてみては?
(A)共成小、福島中のように地域に田畑がある環境の学校については今後、検討の余地はあるが、それ以外の学校については難しい。東小学校のように、学校の敷地の一部を利用して農作物を育てる取組みなど、各校の実態に応じた工夫により実現が可能な学校には、実施に向けて働きかけていきたい。
→再質問で「だから、教育委員会だけでなく、(産業活性化室)農業を担当する課が横の連携をすべき」と提案しましたが、答弁では答えず・・・。
さて食育の一環の「お弁当の日」への取り組みには、ぜひ子ども達に力をつける教育に取り組んで欲しい。まずは、食の大切さを学び、子ども自身が作る力、選ぶ力をつけるための授業のカリキュラムが必要ではないだろうか。
ある中学校は、担任が生徒に「コンビニで買ってきてもいいけど、弁当箱に詰めてからもってくるよう」指導しているところもあると聞く。これが本当の食育なのだろうか。お弁当忘れには、学校側がコンビニのおにぎりを買ってきて対応をしているところもある。
また授業が長引いたとき、調整時間として給食の時間が短くなることもあるようだ。
そしてなによりも子ども達が給食の準備に取りかかるのが遅くなり、給食時間が短くなる場合もあると現場で聞いた。まずは食べることの大切さを子ども自身で実感せねばならないのではないか。
ということは、学校教育の食育だけでは食育は進めるできない。子どもが小さい時期から食の大切さを親自身も家庭での日々の食の大切さを実感せねばならないと思う。どこまで公共がすべきことなのか・・・、悩みどころだが。
今後策定される食育計画は、学校教育の現場だけでは限界があると思う。が、これから学校での食育計画を策定することが第一歩となり、「お弁当の日」も含め、食育の一環となる子どもの成長に合わせた計画が策定されることを期待する。
そこには、食の作り手、食材の作り手(農との関係など)子ども達に見える関係も大事だ。
以前「昭島市に栄養教諭が一人配置された」ことをブログに書いたが、そのときの栄養教諭の言葉を思い出す。
「食べ物は、体にいいだけではない、心を耕すものだ。作った人と人との思いを子ども達へも伝えていきたい。」
引き続き、昭島市の食育に注目して活動していきたい。