墨田区のまちのあちらこちらには、雨水を活用した路地尊や路地琴、国技館の雨水活用の仕掛け人が村瀬誠さんです。都市型洪水対策、渇水対策、震災対策、環境対策という視点で、宅地や道路等を浸透域と不浸透域の数値で示しながら首長を説得し、雨水活用を実現しました。
都市開発においても、開発指導要綱での雨水活用の事業者への協力依頼から、2008年度に一歩踏み込んだ条例化されました。法的拘束力はないものの、条例化により、雨水活用をした集合住宅など墨田区のお墨付きの認証をもらうことで物件の価値が高まるため、事業者も協力的です。行政も都市計画と環境保全課がしっかり連携しています。
阪神大震災の時は、雨水タンクをもって、村瀬さんは現地へ行きました。皮肉にも神戸市役所の崩れた階は水道部。水のライフラインが復旧するには時間がかかった中、倒壊された家屋に屋根が残ってる状況を見て、なんとかなると思ったそうです。当時被災者からは、「なんで震災前に雨水タンクを持ってこなかったのか」と関西特有のユーモアで返されたほど。現在も雨水タンクは使われています。
北京オリンピックの鳥の巣の会場、上海万博パビリオン、東京スカイツリー・・・・雨の活用のプロジェクトに村瀬さんは世界中を駆け巡っています。その中現在村瀬さんが力を人生を注いでいるのは、バングラディッシュへの支援。
「雨はインドからやってくる。ヒマラヤにあたって、雲南で雨を降らせる、それが「龍」の伝説を生み、そして日本へ。日本の雨はアジアの雲からできている。雨で世界はつながっている。そのアジアの国のバングラディッシュが水に困ってる。ヒ素汚染された地下水で子どもたちがヒ素中毒になっている・・・」村瀬さんは、現地の材料で現地の人たちの仕事として雨水タンク設置をしています。国連が赤十字とともに井戸を多く掘って行きました。しかしその水はヒ素で汚染。地下水は汚染されていたのです。汚染されていると知っていても生活用水として使わざるを得ない。被害にあうのは子どもたち。世界中では水の奪い合い、戦争にもなる。あらためて村瀬さんの言葉が響きます。”NO MORE TANKS FOR WAR, TANKS FOR PEACE!”
さて昭島市において、地下水100%の水を飲んでいるまちとして、雨水活用をもっと積極的に行うべきだと思う。市役所や新しく建てた公共施設のトイレに雨水活用されているもの、さらに災害時の視点もいれて雨水施策をすべきではだろうか。
昭島市の水はミネラル分が豊富。そのために洗たくでは石けんの分量を多めに使います。雨水は蒸留水なので、洗たくに活用すると石けんの量を減らすことができる。環境面からも雨水施策が展開できるのと思う。そういえばタスマニアでは、雨水が最高の飲水、トイレでの雨水活用ではもったいない!とますます思ってきた。