社会的企業とは、利益を追求する一般企業と違い、社会的課題の解決を目的とし、ビジネス手法を取り入れ、自ら利益を生み出し、持続性発展性のある事業を展開することを指します。
「美しい店」は、社会的企業の一つです。2002年に設立された日本でいうNPO,NGO性格をもつ韓国のリサイクルショップ「美しい店」は、韓国社会にリサイクル文化、寄付文化を大きく根付かせました。「美しい店」は、韓国に106店舗を展開し、収益を貧困層など社会的弱者へ配分されます。店舗内には、フェアトレードの豆(キリマンジャロ、ペルー、ネパール)を扱う、コーヒーショップもあります。美しい店に関わるスタッフ、ボランティア(『活動天使』と呼ばれています)は、美しい店の活動に参加することへの自信、誇りにみなぎっています。お店の品物は、活動に賛同する地域市民の寄付と全国の一般企業から続々と送られてきます。例えばリーバイスが、3万点ものジーンズを寄付しています。
2006年には国の社会的企業育成法の第一号として認証され、物流センターで人件費の補助を受け、出所者のバリスタ雇用、アルコール中毒、精神障害を持つ人など社会的弱者の雇用もしてきました。
美しい店のリメイクの工房「エコパーティーメアリー」も若い力でみなぎっていました。ソファーの皮を使いカードケースや筆箱にリメイク!スーツとワイシャツがバックにリメイク!横断幕がエコバックにリメイク!されています。ニューヨークのMOA美術館に展示されたことがきっかけで、ニューヨークの販路も開けてきています。「2年後、みなさんにお会いする時は、美しい店からメアリーが独立していますよ!」という目を輝かせ語る若いデザイナーの言葉には、力がみなぎります。
韓国は今、若い力が市民活動と社会的企業の中で、イキイキと活躍しています。着実に自立した自治する市民リーダーが育ってきていると実感しました。
さて日本でも、経済的利益に走る一般企業ではなく、社会的課題を解決する社会的企業を、若者が希望を持って働ける場として、仕組みを作っていきたいと強く思いました。