12日(火)は、岡山市が取り組む学校図書館司書の視察です。岡山市は、1952年からPTA費で、学校へ司書を配置しています。戦後岡山市立清輝小学校校長が、「これから子どもは、本を活用せねばならない。」という考えの下、学校司書をPTA費で雇いました。現在岡山市内の小中学校に、学校司書が市の予算で配置されています。全小中学校に130名の司書(正規職員48名、嘱託職員82名)がいます。
視察した操明小学校は、バブルの終わり頃建てられ贅沢で斬新なアイデアが散りばめられた設計です。土地28億円、建物32億円で14年前に建設されました。図書室の広さは、293.5㎡もあります。図書の費用も1年目646万円、2年目160万円、3年目160万円、4年目160万円と力を入れてきました。開設当初の4年間で約8000冊も蔵書することができました。標準図書の冊数を確保できたことにより、今年度の予算は326000円です。(厳しい〜!)。
本のデータベース化や廃棄作業も司書が中心に行った操明小学校の3年生の図書の授業をみさせていただきました。
まずは学校図書館の司書の疋田先生から子どもたちにブックトークをします。
お正月の本の紹介から始まり、今年何年か子どもたちへ投げかけ、「トラよりこわい干し柿」を読み聞かせます。トラをテーマに本への興味をどんどん広げます。)
ポプラディアを使い、どの地域にいるか、トラが絶滅種であることを話します。
次に絶滅種から岡山に生息する絶滅種、タンチョウ、アブラコウモリ、シマフクロウ・・・などを本を使い説明。タンチョウは、岡山市の鳥になると新聞を使い話します。さらに岡山にいる少なくなったアユモドキも地元の人たちが守ろうとしていることを図鑑を使いながら話しを展開します。
最後に「トラベッド」の本を紹介し、絵書いた角野栄子さんの魔女の宅急便の新刊が入ったことを紹介していました。
25分ほどのブックトークでしたが、子どもの目がキラキラ輝いています。
そのあと、子どもたちが借りた本の返却と貸出を司書の疋田先生と担任の教員がパソコンを使い作業を進めます。疋田先生は、バーコードをチェックしながら、「(「お化けの真夏日」を借りる子に)いろんなお化けが怖いよ」「(折り紙の本を借りた子)この折り紙の本はレベル高いよ」など声かけもかかせません。
授業参観を通じて、学校図書館の司書の重要な役割を目の当たりしました。
学校にない図書は、パソコンで検索。県立図書館、市立図書館から、借りてくる連携もとれています。
教員との連携もしっかりとれています。教員から司書へ授業で使うテーマのことがらをあげてもらい、ことがらごとに司書は、子どもたちが調べ学習に使えるリストを作ります。
子どもたちも低学年の時から、図書室の利用の仕方を学んでいます。調べ学習もインターネットだけでなく、何冊もの本から情報を得ます。1年生のときから、図書館を利用した活動から、図書館機能を活用し、さらに情報活用能力を高めることをカリキュラムとして計画的に学んでいます。情報が多い世の中だからこそ、学び取る、情報を見極める力は重要です。
小学生で図書館活用を学んだことは、中学生になっても活かされていると、前任校が中学校だった疋田先生は言います。例えば調べ学習で、最新情報はインターネットで調べ、古い情報は何冊もの図書から情報を得ることが生徒に身についていたそうです。
学校図書室には、いろんな児童生徒がきます。発達障害やクラスにいたくない子・・・を教員ではない、日常的に図書室にいる司書が話し相手になります。一人職がいる素晴らしさの一つです。
数値となって成果は表れないかもしれない。しかし子どもにとっても、教員にとっても、学校図書の司書は、なくてはならない必要な存在です。
さて私は、昭島市議会でもたびたび学校図書には司書が必要であることを訴えてきています。しかしながら、司書教諭で兼任できること、東京都は学校司書配置を予定していないことを答弁。岡山市の取り組み状況を見て、現場の話を聞き、あらためて必要性を実感しました。
13日は、岡山県のデートDV、岡山市の多文化共生の取り組みを視察します。