宮脇さんの講演より
〜森が消滅すれば私たちは生きていけない。石油も、石炭も、食物も、衣服も、酸素の供給も、二酸化炭素の吸収も植物によっている。人間は植物の寄生虫でしかない。だから私たちは、真剣に命を守る本物の森づくりに取り組まねばならない。土地本来の主役となる高木(シイ、タブノキ、カシ類などの常緑照葉樹)、それを支える亜高木、低木で構成されたふるさとの木によるふるさとの森は、厳しい自然環境を何百年と耐え抜く力をもっており、災害にも負けず自然の管理に任せることができます。「共に額に汗し、大地に手を接して、共に木を植えよう。土地本来のふるさとの森づくりを、生態学の脚本に従ってすすめよう。地域活性の原点・命あふれる森づくりを東京から世界へ発信しよう」〜
宮脇哲学を実践するNPO三つの森(和歌山県太地町)の福西さんと出会いました(写真右下)。山が切り崩され道路となった脇に、ハマカンゾウ、トベラ、ヤブツバキなどを密植、混植で植えています。スダジイは山でドングリを拾い、竹のプランターで育て、竹のプランターごと植樹。宮脇哲学は日本全国で広がってといる実感を目の当たりしました。
さらに太地町での驚きは、植樹の時。どこからともなく時間になると人が集まってきます。婦人部、漁業組合、老人会など50人ほどの人です。あったかい人たちばかりです。人の温もりをたっぷり味わいました。
昭島市は、自治会加入率が50%以下です。地域の助け合い、コミュニティーということが声高に叫ばれている中、太地町でそのヒントがもらえたような気がします。
これから昭島市は、横田基地南に面した横田基地の飛行機など騒音を緩衝するための林が、環境コミュニケーションセンター及びエコパークとして開発されます。土地本来の木でない樹木を切り崩し、武蔵野の雑木林を再生される計画です。ならば、土地本来の常緑樹の苗を市民が育て、市民の手で植樹するのはどうだろうか。そうすることで、昭島への愛着、コミュニティーの輪も広がるように思う。