原則例外が逆転!?特定秘密保護法~緊急年末憲法討論報告①

2013年12月26日 10時29分 | カテゴリー: 平和・憲法, 活動報告

 

小林節先生×伊藤真先生~私たちは憲法とどう向き合うか。緊急年末憲法討論。(主催:生活クラブ運動グループ立川地域協議会 日時:2013年12月23日)

 多摩北エリア生活者ネットワーク憲法実行委員会による憲法カフェを開催しました。特定秘密保護法が強引にも可決されましたが、法案審議している国会中継を聞いている私でさえ支離滅裂な森担当相等はじめ、国会議員の答弁。国民の多くがそう思っているはず・・・。そんな法律がまかり通る今!ますます権力を縛るはずの憲法へのヒタヒタと浸食する自民党の憲法を変えたい、戦争のできる普通の国へ変えようとする足音が聞こえてきます。

 憲法は遠い理想の存在ではありません。生活の中で生きている人権の束であることを不断の努力で一人ひとりが考えねば、権力を持つ側は自分の都合の良いように書き換えようとします。

 以前私は改憲派小林節先生VS護憲派伊藤真先生という構図で捉えていましたが、今は違います。改憲派とか護憲派とかいう問題ではない。憲法そのものが多様な考えを受け入れています。しかし今の安倍政権が変えようとする自民党憲法草案では、多様な意見さえ言えない状態になろうとしています。今回憲法カフェのコーディネーターの南部義典さんが、今の政治の動きもクロス的に動態的憲法の視点で捉え、2013年の憲法問題について、小林節先生と伊藤真先生に投げかけました。

 今回は特定秘密保護法について、報告します。

 沖縄が変換された時、佐藤内閣は密約を隠し、今より緩やかな国家公務員法で守秘義務規定で公務員を縛っていました。特定秘密保護法に関わらず、刑事法や行政法等法律制度に関わらず、法律は、人間が不完全で、間違いを起こしうるという前提で作られています。例えば、「この分野だけ公務員が絶対間違いを犯さない。」という絶対的権力は絶対的堕落をし、「特定秘密保護法は悪法である。」と、小林節先生はきっぱり指摘しました。

 伊藤真先生からは、国家の機密があることを認めながら、「国民主権の国においては、情報は国民のものであり、情報は公開原則であり、権力は腐敗すると同時に、その権力は不正を隠したがるということも古今東西変わらない」と指摘します。
 不正を隠していないかどうかを主権者国民が主体となってチェックする仕組みが本来原則として保障されねばりません。特定秘密保護法は、本来の原則例外が逆転しているのです。官僚が自分たちが主人公であり、国民は従順に従うという上から目線ではないでしょうか。

 「情報は国民のものであり」「国民主権が害される」法律はゆゆしき問題です。

 さてここで自民党憲法草案12条と照らし合わせると現政府の目論見も浮上します。
(国民の責務)12条「この憲法が国民に保障する自由及び権利は、国民の不断の努力により、保持されなければならない。国民は、これを濫用してはならず、自由及び権利には責任及び義務が伴うことを自覚し常に」公益及び公の秩序に反してはならない。」

 特定秘密保護法には、自民党の憲法改正草案のあちこちにある12条の発想や感覚に一致しています。自民党が変えたい憲法の考え方を先取りしています。12条前半は変わっていませんが、「常に」国民の自由や権利は公益、公の秩序を犯してはいけないとなっています。例えば常に秘密が優先します。情報公開請求権は、国民の人権よりも「常に」秘密。「国民の自由や権利は法律で縛ることができますよ。」と伊藤真先生は指摘していました。憲法で権力を縛ることが抜けているのは、秘密保護法に通じています。

 安倍首相は、国民に丁寧に説明すれば理解されるというが、そのことはまったく信用できない!

 小林節先生が指摘する「『私たち政府は怪しいことはしません』は信用できない。」あとから丁寧に説明すればよかったというものはいかがなものか。

「12項目の修正をやった」とか、「野党と協議した」というが・・・

小林節先生は、「第三者機関はふざけた話、怒って下さい。」と声高に発言されていました。
私(安倍)首相第三者的私(安倍)が審査します。」とは・・・・不謹慎です。内閣府に事務次官級をおくというが、人事権を握る安倍首相の直属の部下が、どうやってチェックをするのか。内閣官房の中の審議官クラス(事務次官の下の下のクラス)の独立したチェックした官職をつくるというが、冗談みたいな話です。一つは頭の悪さ、なめきっている人を相手に真面目に向かい合うなきゃいけない我々は大変な時代に生きていると小林節先生の指摘。

伊藤真先生からも、「国民の知る権利、メディアの取材の自由の付け足しはふざけた話であり、意味がない。官僚が意味がないときに使う常とう手段。不誠実。国民のことを信頼できないから、エリートが判断してやる!」という考えであることを指摘していました。

第三者機関のチェックは、司法府によるインカメラ審査をすべきです。密室の中で限られた人しか情報をみない審査であり、裁判官と限られた人が見て、利害関係のない司法がチェックする、権力分立の観点からもチェックができます。国会側からのチェックは、国政調査権とかあるが、国会議員が一人でできるものではありません。多数派政党の意向でしかできません。実質国会によるチェックは機能しづらいことであり、やはり歴史によるチェック、政権交代が最大のチェック機関です。イラク戦争のとき日本派兵は、いったい何を運んだのでしょうか、誰を運んだのでしょうか。自民党政権では国連職員を運ぶといいっていましたが、民主党の政権交代で16000人米軍兵士を運んだことがわかりました。本当の意味でチェックができるのは、政権交代しかありません。沖縄密約についても、民主党政権ででてきました。政権交代こそが最大の情報公開!自民党から政権を取らねば、チェックはできません。
 

 今!できることは、「公文書管理法」「情報公開法」という法律を具体的に作り直し、改正していき、秘密保護法の実質の運用のところで歯止めをかけていくしかありません。本来ならば、そもそも特定秘密保護法を廃止し、もう一度ゼロの戻し、原則と例外が逆転していることを直し、チェック機関を作り、仕切り直さねばなりませんが、今の政権のままではできない。だからこそ、この問題点を正しく私たち国民一人ひとり不断の努力を続けていかねばならいと思います。

 引き続き生活にぐーつと結びつけて憲法の思考回路で考えていくことをせねば、いつか茶色の朝のような世の中になってしまいます。今、現政権がしようとしていることは、他人事ではありません。私達の基本的な人権にも踏み込む大事な法が作られています。