地域産業でまちおこしをした池田町

厚生委員会視察3日目〜福井県池田町の環境への取り組み

 合併をしなかった池田町。地域産業を生み出し、住民たちがアイデアをだし、池田町の特産品に付加価値までついています。

写真右上は、池田産の生ごみ堆肥「土魂壌(ドコンジョウ)」ネーミングもおもしろい!

 2001年環境基本計画を立てるとき、コンサルタントが関わり、行政主導で行なうのではなく、まず住民に呼びかけました。男性52名、女性48名の合計100名の住民が手をあげ、いっしょに作りました。絵に描いた餅ではなく、住民自身が実現できる計画として、1年をかけて作り出したのです。
 行政のスタンスは、まず自分たちができることは自分たちで、そしてできなければ、みんで考え、そしてできないときは行政がという自助・共助・公助を実践しています。そのために計画をつくる段階から積極的に住民が関わっているのです。

 みんではじめる6箇条もその一つです。第1条ゴミを減らす、第2条野焼きをやめる第3条水を守る・・・。とくに第1条でマイバッグをもつなど具体的な行動まで書いています。すべて自分たちで決めたものです。

 また驚いたのは、アイデアいっぱいの取り組み。今、池田町の野菜や加工品は、福井のスーパーでは大好評です。最初は、農家の主婦が家庭で、安心で安全なものを家族に食べさせたいと作っていた野菜を売りに出したのです。それが安心・安全だと消費者から好評。しかし当時は、別段特別なことをしているわけでなく、売り手として考えさせられたそうです。そこで有機野菜や化学肥料を使わないような野菜作りも始めました。野菜作りのために、住民が生ゴミを回収し、堆肥化まで始める仕組みも生み出したのです。そしてそれを消費者にわかるように表示。池田町の価値を高めました。

 他にも廃食油をガソリンスタンドで回収し、生ゴミ同様、住民がスタンドから回収します。そして一年に一回、廃食油でエコキャンドルを3万本作り、イベントとして道路沿いや神社で灯します。

 さらに池田町がおもしろいのは、国から派遣されてきた農水省の役人が池田町を気に入り、仕事を辞め、池田町で再就職をしています。それほど魅力的なまちなのだと思います。また全国のいろんな自治体で成功した事例(例えば宮崎県の綾町など)をどんどん取り入れる職員の柔軟さには、驚きでした。

 さて厚生委員会の視察を終え、環境や条件が異なるにしても、一番に感じたのは、どこの住民も職員も生き生きと働いていることです。これから、この視察で得た施策を昭島でも実践していきたいと思った3日間でした。
 さあ〜て、もうすぐ6月議会!がんばるぞ。