太陽花(ひまわり)学生運動から民主主義の実践を思う~2015年年頭への思い

2015年、戦後70年の年が幕開けしました。
みなさまはどんな思いの新年を迎えていますでしょうか。
昨年国会を取り巻く反対の声に耳を傾けることなく7月1日の集団的自衛権行使容認の閣議決定されたこと、12月10日の特定秘密保護法施行にも、私は憤りを感じています。

台湾でのひまわり学生運動の報道から、民主主義についてあらためて考えてみました。
2013年6月21日、台湾の馬英九政府は突如、中国と「両岸(台湾、中国)サービス貿易協定」に調印したことを発表しました。
この協定はこれまで国民に全く説明されておらず、不透明なまま調印に至っています。
また協定の中には台湾の社会経済に大きな衝撃を与えるだけではなく、国家の安全をも及ぼす内容が含まれています。
こうした不透明なまま調印されたこの協定に国民の疑問の声が高まる中、馬政府は、与党・国民党が立法院(日本の国会にあたる)で過半数を握っていることから、
2014年3月17日に一方的に協定の審議を打ち切り、強行採決しました。

これらの経緯から学生たちが立ち上がりました。3月18日の夜、学生は立法院に突入、24日間立法院を占拠しました。
立法院が学生に占拠されることは前代未聞のできことであり、その後多くの市民と学生の支持に広がっていったのです。
学生がシンボルとしてひまわりを掲げたため、太陽花學運(ひまわり学生運動)と呼ばれています。

私がなぜこのことに注目しているかは、占拠していた学生たち、また立法院の外でデモに加わる学生たちがよく議論をしていたからです。
単なる反対だけではなく、立法院の中、外でも4~5人くらいの輪を作り、中国と「両岸(台湾、中国)サービス貿易協定」の一つひとつの項目について、お互いがどう考えるか議論をするのです。また芸術系の学生は、訴えるためのボード作成、歌を作る等、自主的に自分たちができることを考え、判断し、反対運動を展開していきました。

そして与党の国民党である議長が、学生が要望してきていた一つ第三者チェック機関を制度化された「両岸協議監督条例」が法制化されるまで、サービス貿易協定の審議を行わないことを提案してきました。
学生側の林リーダーは、はじめ撤退するかどうかについての判断を幹部だけで決めようとしていました。しかし占拠する仲間から、「みんなに意見を聞いてほしい。」要求され、林リーダーは立法院の中の全ての議論の輪の中入り、意見を交わしました。
その後学生側は、4月10日に立法院から退去することを発表しました。
そのとき、ある学生は「(林リーダーに対し)自分は撤退に反対だが、みんなの意見を聞いてくれて感謝します。」と述べていました。
撤退時、椅子、机を整頓し、テープ後を綺麗にはがし、学生たちが掃除をしたのです。

その後、2014年11月29日の統一地方選挙で国民党は、大敗し、馬英九が国民党主席を辞任するなど、政権は大きなダメージを受けました。

民主主義は、十分な議論から始まります。台湾のひまわり学生運動から民主主義の原点をあらためて考えさせられました。

ある人は、日本も戦後日本国憲法を手に入れたとき、学生運動も盛ん、議論も盛んに行われていたと当時を知る人たちは言います。
しかし今、集団的自衛権行使容認であれ、原発再稼働であれ、一人ひとりの市民自身の議論がないまま、すべて一部の国会議員の判断や政府にお任せでどんどん大事なことが決められていこうとしています。

今、私たちに必要なのは、遠回りかもしれないが身近な小さな単位で、民主主義を実践することから学び直さねばならないと思います。

今年は、昭島市議選はじめ、統一地方選挙があります。

私は、引き続き「大事なことは市民が決める」をモットーに、多くの多様な市民とともに、みんなで身近な政治について、考えていきます。