花粉対策事業で皆伐された木を使う!東京都の林業の取組を見てきました

主催の多摩森DAIVEの沖倉さん(右から二人目)、安田さん(右側女性)と東京都花粉対策事業の職員(左から二人目)
 

「SMALL WOOD TOYKO」報告!山、貯木場、原木市場へ行ってきました。  (2013年3月28日)

 
 東京都の36%は森林。身近な地域の東京の森を育て、活用することは、私たち暮らしとも直結することではないでしょうか。  
 
 多摩の木を使いたい!活用したいと思い続けると出会いがあるものです。以前から気になっていた沖倉製材所の沖倉さんと合同会社++(タスタス)の安田さんが企画した多摩森DIVEにたまたまご縁があり、参加してきました。 

   

                花粉対策事業で皆伐された木を頂上から降ろします

 まずは、多摩森DIVEで東京都花粉対策事業の職員さんから東京都が木を伐り出している山を見学しました。現場の山14haの木を皆伐(すべて伐採)します。伐採した後の山には、品改良!?したスギ花粉の少ない木を植え替えます!!ちなみに東京都の事業として20万本のスギ花粉の少ない杉に植え替える計画です。「品種改良」とは、遺伝子組み換え?と参加者から質問も飛びましたが、なぜか職員の方は答えてくれず・・・。単純な疑問は、木を「伐り」(それも皆伐)→スギ花粉の少ない杉の品種の木を「植え替える」??と思っていたところ、実はその裏には、山の木を伐採するにもかなりの費用がかかり山主さんは維持できないのだそうです。木を伐採し、木を有効活用し、東京の林業を回していくための循環していく手段としての(花粉対策)事業があるのだと話してくれました。

 
 

 

 山を見た後は、貯木場へ移動しました。財団が管理する貯木場には、伐採した木のうち合板等になるB材(中質材・・・

青梅の貯木場にはB材、C材が山ごとに山積み

建築材に適さないC材以外の木)とチップ等になるC材(不良材…大きな曲がり木、心腐れ、割れ、入り皮など)が山ごとに積み上げられていました。買い手がその山ごとに値をつけます。C材のチップは、昭島にある水再生センターの下水汚泥を焼却するバイオマス混合炉(ガスと木材チップ)でも使われています。
  貯木場の後は、セリが行われる15キロ先の多摩木材センターの1993年開業の操業20年の東京唯一の原木市場へ。市場では山から伐り出された良材のA材が並びます。市場ではセリが毎月2回行われます。開業当初の1993年は、13000㎥から15000㎥の取引が、一時は8000㎥から9000㎥へと市は落ち込みました。東京都の花粉対策事業が始まり、今では16000㎥へと回復しています。東京都の事業がないと現状では林業が成り立たないことも課題ではないでしょか。さてこの市場では8割が多摩産材、そのうち8割が花粉対策事業から皆伐された良材で、その原木には「多」の認証の刻印が押されています。素性がわかるトレースアビリティーが認証された木だとわかります。

原木市場には花粉対策事業で皆伐されたA材に「多」の認証が刻印されています

 
 この後、今回で出会いたかった沖倉製材所へ向かいました。次回沖倉製材所での木を活用していくための、広げる取組について報告します。