小水力発電、マイクロ水力発電、ピコ水力発電の可能性を探る

2012年10月1日 02時11分 | カテゴリー: 環境

 先日NPOの仲間たちと小水力発電の技術の第一人者である田中水力(株)へ伺いました。10月9日に昭島・生活者ネットワークで視察にも行きます。下見も兼ねて話を田中社長から話を伺いました。

田中水力(株)とは

 田中水力は、1932年に創業された水力発電において80年の歴史がある企業。2005年に5000kw以下の小水力発電、マイクロ水力発電プラント製造を専門に展開している。2006年に既存の配管に設置できるインライン式リンクレスフランシス水車を開発したことでマイクロ水力の展開が飛躍的に伸びている。とくに3.11の震災以降需要が増えています。市民ファンド「おひさまファンド」が7億出資し、総額12億で設置された立山アルプス小水力発電事業の小早月川発電所の機器は田中水力のタンゴ水車だそうです。現在神奈川のNPO依頼のもと、河川でのマイクロ水力発電設置に向けた開発等もしています。また注目すべきはピコ発電!九州工業大学と共同で1.5kwのピコ水力発電の「エコハイドロユニット」を開発し、実証実験をしています。実証実験により、今後高層ビルなどの空調、排水、用水のための配管への設置の可能性もあるのではないかと思いました。最近の注文は、東京都の浄水場のポンプ場、下水処理場への設置の仕事。環境に優しく、土木工事も発生せず、水利権が発生しないため、取り組みやすく、東京都等自治体は導入しています。機械設置は、すべてオーダーメイド!田中水力は、次世代を担う小さな水車の開発で日本クリエイション大賞2011マイクロ水力開発賞を受賞しています。

 ここで感動したのは、梅ちゃん先生じゃないけど、日本の中小企業の技術のすばらしさ!2階建ての田中水力(株)の1階部分で職人さんたちが作業をしていました。一つ一つ手作りの小水力発電の製作は、日本人の手先の器用さからできる作業であると誇りも持てました。長持ちする機器の保守だって、国産だからこそ迅速な対応ができます。

[参考までに]*田中水力では、10000kw以下を小水力、1000kw以下をミニ水力、100kw以下をマイクロ水力、10kw以下をピコ水力としている。業界で厳密な規定はないそう。

 ●小水力、マイクロ水力、ピコ水力の地域導入する可能性

 太陽光発電の稼働率が10%と言われる中、水力発電は60~70%です。耐用年数も30年以上と長く、落差と流量で発電量が決まります。またマイクロ水力発電、ピコ水力発電は、土木工事が少なく、環境に優しいのが大きなメリットです。例えば直径30㎝のマイクロ水力発電で家庭用電力30軒分にあたる100kwの出力ができます。設置には、まず地点を検討、そしてそこに水利権は発生しているか検討せねばなりません。水力発電導入への課題は、水利権と土木工事、イニシャルコストの多大な費用がかかることです。国の政策である太陽光パネルと比較して、水車設置には数倍かかります。ちなみに湧き水には水利権がないそう。山口県企業局には、水利権など課題がある小水力発電を取り組むための相談窓口があります。http://www.pref.yamaguchi.lg.jp/cms/a40100/shousuiryoku/top.html

「(独)科学技術振興機構発行の小水力発電導入の手引き」という冊子があるそうですが、実はこの手引書役所で山積みになっています。ここにも小水力発電へのやる気、意気込みのなさを政府から感じます。

 9月28日の東京新聞に八王子市上恩方町で炭焼き小屋を運営するNPO法人日本エコクラブと藤野電力の共同による手作りの小水力発電装置を醍醐川で披露したことが載っていました。開発を進め、河川や農業用水、民家での活用を目指しています。

 水利権、イニシャルコストなど市民が取り組むには課題が山積ですが、例えば昭島市の中で、水道部や玉川上水、宮沢町の下水処理場(所管は東京都だが)は、小水力発電に取り組むことは可能なはず。また政府が政策として小水力への導入に積極的に動き、今後市民が取り組むマイクロ水力発電やピコ発電が活発化することを地域で考えていきたいとあらためて実感しました。