地域主権のまちづくりを支援する花巻市

会派視察2日目

 視察2日目は、宮沢賢治生誕のまち花巻市です。降り立った新花巻駅の前に広がるのは、稲刈りが終わった田んぼや屋敷林の中の民家。山はうっすら色づき始めた様相でした。
写真右、花巻市役所の窓口は、総合窓口を導入。一つの窓口ですべての申請や手続きができます。また、プライバシーが守られる窓口一つひとつにパネルがあります。

 花巻市の視察の目的は、「地域づくり支援事業」です。市内26箇所に職員を2名配置し、地域の拠点を置き、区長さん中心に自治会長・町内会長、PTA、事業所・・・で構成されたコミュニティー会議で地域課題を話し合います。防犯灯、カーブミラーなどを自分たちの地域でつけます。今までは行政に要望。しかし行政の優先順位では、なかなか実現しませんでした。

 市長公約の「小さな市役所」「強いまちづくり」は、地域主権の市政を目指しています。この事業は、その一つ。総額2億円を、均等割、世帯割。面積割で26の地域へ委譲。地域の自治の力に任せています。

 地域によって温度差があったり、会議でもめたり、まだまだ課題はあるそうです。しかし、まずはやってみないとわかりません。市長自身、もしだめならば、見直せばいい!まずはやってみるという考えのもと、職員も取り組んでいました。

 さて今回説明をしてくれた役重真喜子課長。非常に魅力的な女性でした。あとでわかったことですが、東大法学部卒業の元農林水産省出身。国会開会時は、夜中まで仕事。新聞紙を被って寝たこともあるようなキャリア官僚。研修がきっかけで東和町(現花巻市)を気に入り、牛を飼い、農村生活をスタート。その後、町役場に転職。彼女のかいた小説「嫁より先にベコ(牛)がきた」はドラマ化され、彼女にほれ込んで移住する女性もいます。
 
 人と人のつながりを実感できる職員が、行政の市民のコミュニティー事業を担っている花巻市がうらやましくなりました。
写真下、新花巻駅ホームから見える屋敷林