自治体に「子ども条例」がある大きな意味

第8回子ども権利東京市民フォーラムに参加して

 調布市子ども条例、世田谷区子ども条例の取り組みについて、担当の行政マンから報告を受けました。今回のテーマは、「次世代育成支援行動計画・後期計画と子ども条例」です。
写真右、東洋大学白山校舎にて、世田谷区の子ども家庭支援課山崎課長が報告している様子より

 調布市と世田谷区には、子ども条例が整備されています。条例があることで、子ども施策が子どもの視点にたち進められています。首長や担当者が変わろうが変わるまいが関係ないのです。

 調布市というと娘がよくつぶやくことを思い出します。私の娘は、調布市の中高生の居場所、青少年ステーションCAPSをよく利用しています。ダンスに熱中している娘は、お気に入りの場所で、仲間たちとよく利用しています。利用する当事者の子どもの意見がCAPSでは、さまざまなところに取り入れられています。ダンスをするための壁面一面の鏡、音量、ダンスのワークショップの企画、利用の仕方・・・。利用する子どもの声、視点が十分反映されているのです。

 調布市の職員は、子どもの声を聞くには、子どもの中に入っていかなければ、子どもは本音を言わない。信頼関係ができていることも重要と。調布市の場合、プラン策定のとき、学校推薦でくる子どもに学校長が事前レクチャーしないように職員はお願いしています。また子どもの意見を集約したら、必ず子どもへ返します。できないものに対してはできない理由を。できるものは、すぐ実行したそうです。例えば桜の木を植えて欲しいという意見は、すぐ実行したそうです。子ども条例に基づいた積み重ねが、調布市にあります。

 さて今年度次世代支援行動計画の前期計画が見直され、来年度後期計画が策定されます。今、国は、ワークライフバランスを打ち出しています。そして子育て支援への量的指標ばかりが注目されています。主催者の森田先生は、後期計画に「子どもが育つ」がなければならないといいます。本当の意味で、子どもが抱えている課題へフィットした施策にせねばならない。庁内の合意、市民との合意を諮るにも、条例がある意味は大きい。施策には、子どもの視点が明確にされるべきです。
 昭島市には、子ども条例がありません。私は、次世代支援行動計画について、理事者側と視点が違う!と議会の質問を通じて感じることが多々あります。これからも今の子ども達が置かれている危機的状況に取り組むために、早急に子どもの視点にたった子ども条例を策定すべきと今後も言い続けていきたい。
 
 ただ道のりは、遠い・・・。まだまだ子どもの”権利”ということばで壁ができてしまっている。なぜ同じ自治体職員で調布や世田谷とは、かくも違うか。

 まず昭島市は、後期計画のニーズ調査で、子どもの本当の声を聴く調査をすべきではないだろうか。前期計画のときのように、単にアンケート用紙を送付、記入するだけでは、昭島の子どもが抱えていることにフィットする施策は見えてこないと思う。
写真下、社会福祉法人カリヨン子どもの家の上映と一場順子弁護士の報告の様子より